2019年2月14日木曜日

絵画の吊り金具の取り付け方について

美術専門スタッフならではの目線でちょっとしたお役立ち情報を掲載していきます。


今回のテーマは「吊り金具の取付け方について」です。


前回、ご紹介したテーマ「吊り金具について」に沿って、取り付け方についての

動画を作りました。

粗削りの動画で恐縮ですが、少しずつクオリティはアップしていきます。


①丸ヒートンの取り付け方

今回は、支持体にF60号の木枠を使用してご紹介しようと思います。

縦構図(130,3cm)として、上から1/5の高さとして、約25cmの位置に金具を

取り付けてみましょう。

< 取り付けでのポイント >

ポイント① 木枠の横に取り付ける。 正面に飛び出るように付けてはダメです。

ポイント② ヒートンを回す時に、小さいドライバーを使うと指が痛くならずに
      済むので用意しましょう。

ポイント③ ねじ切ってある部分はしっかり根元までいれましょう。




丸ヒートン取付動画
※全画面にして見てください。 

②ファームヒートンの取り付け方

①と同様に、F60号の木枠を使用してご紹介しようと思います。

ファームヒートンは、弊社でも取り扱っているタキヤさんの金具をご紹介をします。

< 品番とサイズの比較参考 >

品番 FHT-S50 ・・・ F50号以下
品番 FHT-S70 ・・・ S50号 ~ S60号位
品番 FHT-  70   ・・・ F80号 ~ F120号位
品番 FHT-  90   ・・・ S120、F130号 ~ F150号位
品番 FHT-S50   ・・・ S150号 ~ F200号位


F60号の木枠を使用しますので、品番 FHT-S70と適合木ねじを使用します。

縦構図(130,3cm)として、上から1/5の高さとして、約25cmの位置に金具を

取り付けてみましょう。


< 取り付けでのポイント >

ポイント① 吊り金具のひっかかる部分が25cmの位置になるように目印を付け
      ます。

ポイント② ねじ込む木ねじの深さが貫通しないかどうか必ず確認をします。

ポイント③ ファームヒートンの木ねじの穴1ヶ所のみ目印をつけます。 

ポイント④ 目印をつけた穴に、ヒートンを重ねずにまず軽く開けておきます。
      ヒートンを固定する時に木ねじが滑ったりしないので安心です。



ファームヒートン取付動画
※全画面にして見てください。


いかがでしたでしょうか。

弊社でお取り扱いしているファームヒートンは、輸送サービスのオプションとして

ご提供しています。公募展、コンクール展、個展、寄贈などの運送をご利用頂く

時に一緒にご利用ください。




御覧頂きましてありがとうございました。



2019年2月8日金曜日

絵画の吊り金具について

美術専門スタッフならではの目線でちょっとしたお役立ち情報を掲載していきます。


今回のテーマは「吊り金具について」です。


絵画を制作したら、公募展やコンクール展、個展、グループ展あるいは販売や寄贈と

アーティストの皆様のお手元から作品を出品する方が大半だと思います。


『 その出品の時に作品の吊り金具ってどうされていますか? 』


どこかの壁面に展示されることを想定して準備をしなければならないですよね。


たとえばどうでしょうか・・・


" 展示する壁面がよく分からないから自分では吊り金具はつけていない " 

とか

" どんなものでも吊れる金具がついていればまぁ大丈夫でしょ " 

とか

" まぁ受取り先で何とかしてくれるでしょ " 

とか思っていたら駄目ですよ。



公募展によっては、主催者サイドで入選した作品の吊り金具を用意する場合

もありますが、大半はアーティストの皆さんが取り付けた吊り金具で展示します。


『 アーティストの皆さんはどんな展示を希望されますか? 』


ピクチャーワイヤーだったり、壁にビスや展示金具など打ち込みだったり、穴あきの

壁面ボードに引っ掛けたりなどなど、展示はいろいろありますけれど、


「 できるだけ壁にピッタリ展示したい! 」 ですよね?


そりゃそうです、できるだけ綺麗に展示したいはずです。

作品が拝んでいたり、壁からちょっと離れすぎていたりしたら嫌ですよね。


そうなると、吊り金具の選定はもちろん金具の取付け方、紐の付け方はとっても

大切なんですよ。


そこで、我々、美術専門スタッフが吊り金具をどうすれば良いかをご案内いたします。


それではまず、吊り金具の選定です。

いろいろありますが、絞り込むと吊り金具といえば、こんな感じでしょうか。

ファームヒートン



定番中の定番の吊り金具です。木製の額縁などを
買うと備え付けてありますね。
これは、吊り紐を通しても良し、ピクチャーワイヤー吊りでも良しと万能タイプです。


丸ヒートン

   ホームセンターでも売っています。
   耐荷重が取れます。
   簡易的に取り付ける場合は特に問題無いです。
   吊り紐通しても、ピクチャーワイヤー吊りでも
   大丈夫です。




余談ですが、

美術団体展では、鉄の丸くぎをキャンバスやパネルの裏に打込むやり方もあります。



次にご紹介するのは使って欲しくない金具です。


U型ヒートン
これは耐荷重が期待できません。
紐を通してもカンタンに抜けてしまいます。
支持体あるいは額縁にねじ込む部分が細くて弱い。
U型部分も力を加えると広がってしまう。
絶対に使わないようにしましょう。


建築壁面用金具
丈夫なので、一見良さそうに見えますが、
取り付け方が絵画には不向きです。
支持体あるいは額縁に対して真正面からしか
取り付けができません。ファームヒートンと
同じ付け方になります。金具が飛び出すぎて
危ないです。絶対に使わないようにしましょう。



木ねじ
ドライバーや電動ドリルで、カンタンに
取り付けできますが、耐荷重が期待できません。
根元までしっかりねじ込むことで固定するも
のですから、引っ掛ける部分を出すと耐久度
が下がります。あまりお薦めいたしません。
材質によっては折れる場合もあります。


リスクの多い金具は使わないということになりますね。

受取る側の相手のことも考えて、準備しましょう。



さて、ファームヒートンと丸ヒートンの取付位置をお知らせします。

①ファームヒートン


上(天側)から1/4あるいは1/5
の拝みにくい位置にファーム
ヒートンを取付ます。
②丸ヒートン




ファームヒートンと同じよう
に正面に取り付けたらダメ!
飛び出し過ぎて危険です!




横から木枠にぐりぐりと
ねじ部の7~8割は入れる。
額縁に吊り金具が備え付けてある場合でも、高さが適当な位置にあるかあるいは
調整可能かどうか、必ず確認してください。

取付方法については、まだ後日になりますが動画でご紹介をします。


最後に、紐の選定と結び方です。

紐の選定ですが、額縁を購入したことがある方ならご存じだと思います。

できるだけ、専用の紐を購入してください。

平 紐
丸紐よりも緩みにくい性質があります。
金具の輪が小さい場合は使いやすい。
ホームセンターなどで売ってます。


丸 紐

平紐よりも切れにくい性質があります。
重量がある作品に向いている。
ホームセンターなどで売ってます。



紐も太さにより耐荷重が違いますので、ご自身の作品の重量を確認してから

購入してください。紐は2重にして使いますので長めに購入をしてください。

ビニール紐は伸びるし切れるので使わないようにしましょう。


紐の結び方

紐の結び方については、動画を用意しましたので御覧になってください。

①結び方(基本)     



②結び目を詳しく





いかがでしたでしょうか。

わからないことがあれば、お問合せください。

御覧頂きましてありがとうございました。